【行動経済学】なぜ槇原敬之は薬物に手を出したのか?
こんにちは、なおきちです。本日は行動経済学を基に「なぜ槇原敬之さんは薬物に手を出してしまったのか?」ということについて具体的に話していこうと思います。
まず、このチャンネルについて簡単にご紹介させていただきます。このチャンネルのコンセプトは「生きづらさを知識で解消する」ということです。人間の悩みは主にHARMという言葉で表されます。これは4つの英単語の頭文字を取って構成された文字です。
HARMとは
1個目がHealth(ヘルス)―健康や美容、2個目がAmbition(アンビション)―夢や将来、3個目がRelation(リレイション)―人間関係や恋愛、4個目がMoney(マネー)―お金、これらの頭文字を取ったもので、H、A、R、M(ハーム)と呼ばれています。
皆さんが、ぼんやりと思い浮かべる生きづらさというものは、こういったHARM(健康、将来、人間関係、お金)の悩みから構成されているものが多いです。
人間の悩みのほぼ全ては人間関係である
【嫌われる勇気】で有名な、アドラー心理学を唱えたアルフレッド・アドラーは、人間の悩みのほぼ全ては人間関係であるというふうに提唱しています。これは100年前から言われていることなので非常に本質的な内容といえます。
動画のテーマとしては、僕のテーマ、あらやとなおきち2名でやっている動画なので、僕がメインとして掲げているのは、生きづらさを行動経済学で解消するということです。
行動経済学というのは、人間の経済行動のしくみを解き明かして、世に溢れるさまざま経済現象をより深く理解する学問になります。これを学ぶだけで人間の心理や経済行動を理解することができます。
すると、自分や他人への理解が深まるので「この人はどういう風に行動しているのだろう」とか「自分はなぜこういう時にこういう行動をしてしまうのだろう」ということが分かるだけで生きづらさというものが解消されていくのではないかと思います。
人間の本質に関わることなので、これが分かれば人間関係の悩みも解決しますし、お金や夢、健康に関する悩みも解決していきます。ですから、僕は、行動経済学を基に生きづらさというものにアプローチしていくことを提唱して動画を作っていきたいと思います。
行動経済学の定義
早速、内容に入っていきます。定義はすごく大事ですので、まず定義に関して話していこうと思います。
不合理行動とは、その場の感情や好みに従い実行される合理的とはいえない行動のことです。人間誰しもやってしまう極めて合理的ではない行動というものについてアプローチしていきます。
この一見不可解な人間の行動を解明するのが、行動経済学なのです。ですから、人間の不合理行動ということについて理解し、アプローチしていくことが非常に大事なわけです。
「誰もが一度は経験のある不合理行動」ということで、この動画を見ているあなたを含め、人間全てが必ず不合理行動をやっています。
「いや、ウソだろ。そんなことないだろ」と思うかもしれないですけど、実際に周りの人たちを見たり、自分の行動を振り返ってみたりすることで、これは明らかになります。全て合理的に行動できている人間などこの世には一人も存在しません。
ロボットですら合理的ではない行動をすることがあるわけですから、感情の生き物である人間はなおさらです。少しイメージしにくいと思うので、不合理行動の例をいくつか挙げていこうと思います。
「わかっているけど、やめられない」
このような言葉がありますが、この一言だけで不合理行動を説明できます。「頭ではわかっているんだけど、なんかやめられないんだよね」ということは誰しもありますよね。
それとは逆に「わかっているんだけど、やっちゃうんだよね」ということも一緒ですね。「やめられない」か「やってしまう」か、どちらも一緒です。ここに「わかっている」と「やめられない」という2つの言葉があります。
まず「わかっている」というのは、理性での判断ですよね。頭ではわかっているんだ、ということ。
では「やめられない」は、理性のコントロールが効かないんだ、ということです。ここで少し考えてみてください。わかっているけどやめられないこと、皆さん、何かやっていませんか?
(では、皆さんが考えている間に、余談なのですけど…)
かっぱえびせんの話をしようと思います。かっぱえびせんといえば「やめられない、とまらない」というフレーズがありますよね。これはつまり「かっぱえびせんを食べだしてしまったら、理性のコントロールが効かない状態に陥ってしまうよ」ということなのです。
言語化すると面白いですよね。やめられないし、とまらない状況になってしまうということですね。それぐらい病みつきになるおいしさがあるよ、ということをカルビーは言っているのだと思うのですが、「やめられない、とまらない」というキャッチフレーズは、この不合理行動を端的に表した一言だと思います。
(では、皆さん「わかっているけど、やめられない」ということ、何かありますか?)
ここでは、例えをいくつか挙げていこうと思うのですけど、「ダイエット」「受験勉強」「浮気・不倫」「薬物」…今回はタイトルにも入っているとおり、薬物が出てきたので、ここで簡単に触れておこうと思います。もちろん、理性のコントロールが効かない場合もこの4つです。
「ダイエット」
「わかっているけど、やめられない」のうち「わかっている」の部分…理性での判断のところですね。「ダイエット」は頭では「すごく食べすぎちゃって太ってきちゃったから、何キロ痩せなきゃいけないな」と思うときが誰しもありますよね。
僕は、痩せ型なので、うれしい悩みと言われることが多いのですが、逆に太らなければいけないという場面がありました。部活でサッカーをやっていた時に、体が細いと相手に体で負けてしまうわけです。相手に当たり負けしてしまう。
ですから、体重を増やしてがっしりした体型を作らなければいけない、というふうに思っていました。ダイエットの場合は逆ですけどね。痩せなければいけないとか、人によっては太らなければいけないといったことがあるわけです。
「受験勉強」
「受験勉強」は頭では「勉強しなくちゃ受からないよな」と思っているわけですよね。受験でなくてもいいです、宿題でもそう「宿題やらなくちゃいけないな」と…。
学校に通ったことのある日本人なら誰しもわかると思うのですけど、「勉強しなくちゃいけないな」とわかっていますよね。では「勉強しなくちゃいけないな」とわかっていながら、100%したかというところを自分に問いかけてみてほしいのです。これが不合理行動の第一歩目です。
「浮気・不倫」
「浮気・不倫」は彼女、奥さんがいる場合ですよね。「彼女、奥さんがいるから駄目だよなあ」と…。一夫一婦制の日本では浮気、不倫というのは、よくないと言われているわけですけど、生物学的にみたら結婚というしくみ自体がおかしな話なわけですけどね。
ここでは「彼女や奥さんがいるから駄目だなあ。浮気や不倫はよくないなあ」と頭では100%わかっている。特に現代人では、浮気や不倫をしたらものすごく叩かれてしまう…頭ではわかっているわけですよね。
「薬物」
「薬物」これはもう一番理性が効かない分野ですよね。「日本では犯罪だよな」とわかっているわけで、槇原さんも頭ではわかっていたはずなのです。
「日本で薬物に手を出したら捕まるかもしれないし、見つかったら自分の仕事が終わってしまう」というのは頭では必ずわかっていたはずです、理性での判断においては。
しかし、結果的に沢尻エリカも槇原敬之もCHAGE and ASKAのASKAも皆、薬物に手を出してしまうわけです。わかっていても手を出してしまうし、万引きなどの犯罪もそうですよね。
わかっていても物を盗んでしまうし、人を殺してしまうという行動があるわけです。普通に理性的に考えたら、これは駄目だと制御が効くはずですけど効かないのが人間なのです。
理性のコントロールが効かない
次に「わかっているけど、やめられない」のうち「やめられない」の部分…理性のコントロールが効かないところですね。
ダイエットというものに特化してみたら、わかっているという理性では「痩せなければいけない」というふうに思っているにもかかわらず、夜食や間食をとってしまうわけですよね。夜中にポテトチップスを食べたり、コーラをたくさん飲んだりしてしまうわけです。
受験勉強でも一緒ですよね。勉強しなければ受からないにもかかわらず、なぜかゲームをやってしまう。勉強しなければいけないと思った瞬間に、なぜか突然に整理整頓をしだしたり、普段ホコリなんて気にしていないのに部屋の掃除を始めるわけです。
おかしいですよね、傍から見たらおかしいわけですよ。勉強しなければ合格しないとわかっているにもかかわらず、この人はなぜか掃除を始めてしまうわけです。これが不合理行動なのです。
浮気とか不倫も同じですよね。彼女や奥さんがいるから駄目だとわかっていても、性欲に負けて可愛い人と付き合ってしまう、密会してしまう、一夜を共にしてしまうといったことがあるわけですよね。
食欲や睡眠欲、性欲という人間の根本的な欲求、マズローの欲求階層説でいえば最下層に位置する最も基本的な人間の三大欲求があるわけですよね。
それらはもう理性のコントロールが効かないゾーンなわけですよ。痩せるために断食しなければいけない、といくら頭でわかっていたとしても、ご飯は絶対食べてしまいますよね。
目の前にあったらコントロールが効かなくなってしまう…生きていかなければいけないから。人間というのはそもそも生きていくために合理的にプログラムされているものではないということですね。
薬物も一緒ですよね。「もう薬なんてしない、絶対に」とはいえないわけですよね。薬なんてしないといえなかったからもう一回やってしまった、薬物に手を出したわけですよね。これはもう不合理行動ですよ。こういうふうにいろんな例から分かる通り人間というのは不合理行動をしてしまうのです。
では、なぜか?ということなのですけど、なぜ人間は不合理行動をしてしまうのか、これは人間はそもそも弱い生き物だということを念頭に置いておく必要があるわけですよね。
ヘンテコノミクス
これから行動経済学ということについて深く動画で話していくわけですけど、ここではさらっと一部分を紹介していこうと思います。
2017年にリリースされた【ヘンテコノミクス】という本があります。これは結構人気があったみたいですけど、ある例を挙げます…。急病で手術することになった父親に対し、息子が医師から伝えられた言葉があります。あなたのお父さんやお母さんなど身内の人が急病で手術することになったとしましょう。
その時に、あなたは医者からこう伝えられました。「死亡率20%ですよ」、もう1個は「成功率80%ですよ」…。この息子さんはどう思ったかというと「成功率80%なんだ。よかった」と前向きになったわけですよね。
一方、死亡率20%と聞いたときは「えっ!死亡20%なの?大丈夫かな、お父さん」と心配になったわけです。
しかし、よく考えてみてください「死亡率20%」と「成功率80%」とは同じですよね。100のうち80が成功で20が死亡なわけです。論理的に考えたら「死亡率20%、成功率80%、理論上どちらも同じ数字です。同じことを言っています」というふうに言えるわけですよね、合理行動をしていれば。
動画観ているあなたも僕自身もそうですけど、人間は「成功率80%なんだ」と聞いたときのほうが上手くいきそうだなと思いますよね。「死亡率20%」なんて聞いたら「うわっ!ヤバい」となるはずです。
コロナウイルス
ものすごく流行っていますよね。中国武漢を中心に、日本でも感染者がすごく増えているなかで致死率3%と報道されているわけですよ、上でいうところの死亡率と一緒ですよね。冷静に考えてみると、逆に生存率97%なわけですよ。
メディアではコロナウイルスの危険性を伝えることが必要であり、予防するために必要なわけですから、致死率3%ですというふうに伝えるというのは正しいとは思います。皆、焦りますよね。「えっ!3%なの?結構死ぬなあ」と僕は思ったりしました。
しかし、裏を返せば生存率97%なわけですよ。100人感染したら97人は生き残るわけですよね。逆に3人は死んでしまうわけですけど。
こういうふうに人間というのは、言い回し、数値によって変わってくる。これは政治学でいうとワーディング(wording)と言われるのですが、言葉の選び方によって、人間の抱く印象というのは大きく変わるものでして、これはフレーミング効果といわれます。
同じ情報でも言い方を変えると異なる印象を与える現象のことをフレーミング効果と呼ばれ、今後も詳しく説明していこうと思っています。
こういうふうに人間というのは弱い生き物なので、言葉の選び方によって大きく変わってしまうのですね。不合理行動をしてしまうわけですよ。
おかしいですよね、理論上はどちらも同じ、どちらも同じ数字、データであるのに、焦ったり、不安に思ったり、喜んだりするわけです。「わかっているけど、やめられない」も同じですね。
なぜ経済学は不合理行動というのを提唱しているのか
ここは以前も話したので簡単に触れていこうと思うのですけど、これまで伝統的な経済学が想定していた人間というのは、ホモ・エコノミクスと言われていて合理的経済人ついて表しています。
「感情に左右されない」「出来る限り安く物を買いたい」「自分をコントロールできる」「自分が満足すればそれでよい」というふうに完全に合理的な存在として伝統的に経済学が想定していました。
実は不合理だった
しかし、そうではないということが近年分かってきました。生身の人間の実像というのは、人が欲しがるものが欲しくなるし、価格が高い方を買うし、深く考えずにお金を払ってしまうし、自分のためにならないこともする。
つまり簡単に言うと、合理的だと思っていたら、人間というのは不合理行動をしてしまうということがわかったわけですね。
友達が欲しがっているゲームが欲しくなったり、高級ブランドの服を無理して買ったり、よくわからないお土産を深く考えずに買って帰ったり、恋人のために高いプレゼントをあげたりとかいうふうに生身の人間というのは合理的ではないのです。
皆さんもわかると思うのですけど、そういったことがままあるわけです。
人間の行動は多様で複雑
あなたもそうですし、僕もそうです。合理的には判断できないようなことが多くあるわけで、客観的に見たら「なんで槇原さんは薬物に手を出したのか」と言えるわけですけど、自分がその立場に立った時にいろんなことが起こるわけです。
歌に対するストレスもあるだろうし、歌詞が出てくるときには気分をハイにしなければいけないこともあるだろうし、テレビに出続けて有名になり続けることの心理的なストレスというのもあるだろうし。
いろんなことがある中で合理的ではない行動を取ってしまうというのは人間なので、そこを念頭に入れる必要があるわけですね。
人間は不合理行動をしてしまう
ただ、行動経済学というのは、経済学が想定する人間像の変化に伴って生身の人間が不合理行動をしているという前提のもとで発祥した経済学なわけです。ですから、不合理行動を人間はします…それに対してなぜ人間はそういう不合理行動をしてしまうのか。
頭ではわかっていても避けられないということに対してどうすればアプローチできるのか、というのが行動経済学なわけです。少しでも、なぜこういう時にこういう行動をしてしまうのかということがわかれば、それを避けることができる可能性が上がるわけです。
もちろん不合理行動をゼロにすることはできないけど「自分は今、不合理行動しているな」とかいうのが頭でわかると、それは大きな一歩ですよね。自分が、生きづらさを生み出している原因に対して合理的に向き合うことでそれを解消することができるかもしれない。
自分が持っている知識、行動経済学に関する教養というものを生きづらさに対して使うことでそれを解消に導くことができるかもしれないというのを伝えたいです。
誰にでも「やめられない」はあり得る
簡単にまとめると、不合理行動というものを人間はしてしまう。「わかっているけど、やめられない」…「わかっている」といった理性での判断と、理性のコントロールが効かず「やめられない」というのが、誰しもありますよね。
ダイエット、受験勉強、浮気・不倫、薬物っていうのがあると…。
主に、今回取り上げたのがフレーミング効果といわれるもので、死亡率とか成功率といった同じ情報だけど言い方を変えると異なる印象を与える現象のことです。これは人間がする不合理行動の最たる例ですよね。
人間像というものが変わってきた…人間は合理的だと思っていたけど、結局そうではなく、不合理だったということがわかってきました。それに対してアプローチするのが不合理行動であり行動経済学だということです。
「無理なく幸せを手に入れよう」
最後に、この動画をご覧いただいた皆さんに、動画の概要欄、ぜひ見ていただきたくて、「無理なく幸せを手に入れよう」ということを我々コンセプトとしてやっています。
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まとめ
今日は、不合理行動について話してきました。もう皆さんならわかると思うのですが、【行動経済学】なぜ槇原敬之は薬物に手を出したのか?の答えは、不合理行動です。
人間は弱い生き物なので理性のコントロールが効かないことが往々にしてあります。ですから、槇原さんもいろんな事情があって、いろんな状況があって、手を出してしまったのではないかなというふうに思えてきます。
だからといって、薬物を肯定しているわけでも犯罪を助長しているわけでも全くありません。日本では悪いわけですから仕方がないのですけど、こういうふうに不合理行動があって人間はこういう行動をしてしまうのだとわかるだけで、その人に対する想像力とか理解というものが深まるのではないかなと思います。
ぜひ、このあたりも頭に入れたうえで、今後行動経済学を学んで、生きづらさを解消していっていただければと思います。
それでは、今日の動画、長くなってしまいましたが終わろうと思います。またぜひ、次回の動画も観ていただければと思います。これからも行動経済学について詳しく、わかりやすく、具体的に話していこうと思いますので引き続きよろしくお願いします。それでは失礼いたします。
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